『ランサム』(1977)

監督: ウーヴェ・ボル
出演: オリヴァー・リード、スチュアート・ホイットマン、デボラ・ラフィン 他

 
【あらすじ】汚職で私腹を肥す市長を脅迫する、インディアンに扮装をした謎の無差別殺人鬼。身(それとも金?)を守るため、市長は腕利きのトラブルシューターを雇い入れるのであった。 
主演のオリヴァー・リードは99年、リドリー・スコット監督の映画「グラディエーター」の撮影で訪れていた中海の島国マルタの酒場で倒れ病院に運ばれる途中で急死した。
 
 
う〜ん酷い。久々に語りたくなるような、素晴らしきZ級映画です。ちなみにテレビ放映の時のタイトルは「復讐のインディアン・ランサム」です。
実はこれ、完全無料放送でおなじみ「Gyao」のコンテンツ「世界のZ級映画」で見たんですけど、その「世界のZ級映画」って多分テレビ放映したものを流しているんでしょうね。そのほとんどが吹き替え&バリバリカット版なんですよね。この「ランサム」も本当なら本編90分あるはずだが、70分ほどになっていたから、20分カットされているわけです。ということで、ココで書く「ランサム」の感想はあくまでも70分版の感想という事で、あしからず。まあ、ノーカットで見たからといって、Z級には変わりはないと思うのですが・・・。
 

まあ、いろいろツッコミどころはあるんですけど、1つ挙げるとすると・・・たとえば映画によくあるシーンですが、スナイパーがスコープで的に狙いをつけるというとこ。画面いっぱいにスコープの十字が映し出されて、その向こうには標的となる人間がいる。この作品ではスコープはスコープでもライフルのではなく、ボーガンのね。そう、矢のライフルみたいなヤツ。矢が発射されてスコープの向こうの男に矢がグサリッ!あれ?スコープ越しの男に刺さった矢はどう見ても斜め横から飛んできてる。どういうこと?スコープを覗いていた者とボーガン撃った者は別ってか?・・・
 
も一個書いちゃうと、主役のトラブルシューターさん、バーに行って酒を飲もうとすると、しつこい女レポーターがバーまで押しかけてくる。するとトラブルシューターさん、何を考えているのか、他の客もいるというのに拳銃をレポーターに向ける!そして「おとなしくしろ。言う事を聞かないと風穴が開くぜ」。女も「わかったは、なんでも言う事聞くわ」・・・って、そんなバナナ!次ぎのシーンでは、二人は部屋の中。「オレは狙った獲物は逃さないたちでね」って・・・でもって女は女で「フフフ・・・」と笑いながらに脱いでベットへ、えー?さらに男は、なんと洗面所に言って歯を磨いている!ベットシーンでやる前に歯を磨くのなんか始めて見ましたよ。しかも、妙にはしゃいでるしw。
 
 最終的に市長とインディアンに扮装をした謎の無差別殺人鬼は金の取り合いで相打ち、二人とも死んでしまうのですが、なんとトラブルシューターさんは死んだ市長の金を持って女レポーターとトンズらこいてジ・エンドって・・・お前、雇われておいて何もして無いじゃん!
 
いや〜、こんなに何かやりそうで、何もやらない見た目だけのカッコつけ主人公(そんなにカッコよくはない)も、そうそういない。他にもツッコミどころ満載なので、時間が有り余っていて機会がある人には、ぜひ見ていただきたい1作です。